ブルームーン 東京グローブ座

2015年5月23日(土)から2015年6月14日(日)まで、東京クローブ座でのブルームーンの公演が行われました。以下、横山さんのことを中心とした第一次感想です。
まず、グローブ座の中に入って、緞帳がないので見えたセットが美しかった。深い色の木の床に階段、テーブルとイスも濃い色。テーブルにのっているお菓子の缶の模様がまた美しい。柱が左右に二本立っていて、上にはこれまた木目の三角屋根。家紋は藤に見えました。階段の途中には振り子時計。2階の窓には花模様の格子。天井の模様がまた美しい。原色の赤や青の花のような模様でした。雑誌で、演出の鈴木さんがおっしゃっていたけれど、グローブ座自体がお寺とも感じられるような作りなので、すんなりと舞台の世界観に入っていけたように思います。昔、祖母が集めていたボタンの箱を覗いた時のような、宝物を見つけたような気持ちになりました。

私が初めて観劇したのは2日目。すばるくんが来ていた回です。事前の情報をあまり入れないで行ったので、ブルームーンの世界にどっぷりと浸れました。横山さんがこんなにもしっかりと舞台に立ってお芝居をしているということに、感無量でした。横山さんにうれし泣きをさせられるなんて思ってもいなかった。私の横山さんの夢のひとつは、シチュエーションコメディにでてもらうこと。フルハウスみたいなの、横山さんにぴったりだと思っていたんです。そうしたら、ブルームーンはまるでシチュエーションコメディだった!そして、髪型はなんと私の大好きな坊主です(残念ながらカツラだけど)。笑って泣いて、ファンタジー要素もあって、最後は幸せな気分になれるエンターテイメント作品でした。

ありがたいことに、譲っていただいたりお誘いいただいたりで、毎週グローブ座に行ったのですが、そのたびに横山さんのお芝居はうまくなっていきました。本当は、最初からうまくやらないといけないのだろうけれど、でも、そんな風に少しづつうまくなっていく横山さんが頼もしかった。お稽古ってすごいです。毎日生の舞台に立つってすごいです。こんなにも進化していける。もともと横山さんの声が好きなのですが、舞台ではより深く優しい素敵な声になっていると感じます。発声方法を変えているのでしょうか。本当に素敵。このまま、歌もうまくなってしまうのではと期待させる素敵さです。そして、特筆すべきはあごのたるみ。横山さんは痩せたはずなのに、この舞台ではあごのたるみが堪能できます。ずっとあごのたるみを見てきた私でも驚くぐらいのあごのたるみが見られます。それはきっと、表情豊かに演技をしているから、顔の筋肉が動いてあごのたるみも動くんだろうな。要するに、横山さんの新境地の演技なのかもしれません。

毎回どんどん滑舌もよくなり、観客を引き込ませるお芝居になり、個人的に最高だと感じたのは東京千秋楽前の6月13日公演。よく、千秋楽前がいちばんクオリティが高くなるとか聞くけれど、ブルームーンもそうだったのかもしれません。横山さんのお芝居で純粋に心を動かされました。横山さんはステージで、観客を前にしてこそ、輝く人なのですよね。絶賛しかありません。6月14日のカーテンコールでは横山さんの言葉を聞くことができました。ユタカは標準語なのに、その時はいつもの関西アクセントで、はっとしました。横山さんだ!って懐かしくて安心感がこみあげました。横山さんの初主演舞台ということは、ファンにとっても初めてのことばかりで。舞台の楽しさを横山さんに教えてもらったかもしれません。

ひとつ前の横山さんの誕生日のエントリーで書いたことですが、どう受け止めていいかわからず何度も読み返した、演技についての横山さんのインタビューがあります(エイトレンジャー2の時)。

あと、最後のすばるとの芝居は、一緒にやっていてもグっときました。(中略)すばるは感情を大事にして、感情が動くのを待って気持ちで芝居するタイプだから、ガッとくるのをすごく感じました。うまいとか下手とか僕にはよくわからないですけど、すばるの生き方が出ているんだろうなと。でも、そもそもへたって何なんですかね。お芝居から感じられることって、その人そのものなんだなと、改めて思いました。(CINEMA SQUARE Vol.63)

この答え合わせが、ブルームーンでできたように思います。ブルームーンでの横山さんのお芝居からは、横山さんそのものを感じます。今回、横山さんのお芝居で特に好きなところは、光恵さんに対して言う「あなたの人生は絶対につまらないものではありません!」(細部は違うかもしれませんがこのような台詞)と、最後ルミに手を差し出して笑顔で言う「踊るか!」なのですが、どちらも横山さんのそのものが出ている、横山さんの生き方が出ていると感じました。それが、すごくすごくうれしかった…。

共演者の方々のことはまた書き残したい。みなさん素晴らしいお芝居で、ブルームーンを楽しめるのは共演者の方々のおかげだなと思います。みなさんが演じる登場人物が魅力的で、どんどん愛着がわいてきます。ふとした時に、頭の中で登場人物が勝手にお芝居を始めるという病にかかってしまっているくらい。きっと千秋楽を迎えたら少し寂しいのだろうな。

明日からは森ノ宮ピロティで大阪公演です。横山さんがんばってね!いつも応援しています。